⽣成 AI の利⽤に当たっての留意事項について(教員向け)

                             2023年7月21日

教員各位
                              宮城教育⼤学
                              学⻑ 村松 隆

        ⽣成 AI の利⽤に当たっての留意事項について

 ⽣成 AI (⼈⼯知能)の技術⾰新が⼀気にすすみ、 ChatGPT など誰でも⼿軽に利⽤
できるようになっています。⽣成 AI については、定型⽂書の作成など業務の効率化に
期待される⼀⽅で、個⼈情報や秘匿情報の漏えいやAI の回答が必ずしも正しいとは限
らないことから⽣成 AI の利⽤に当たっては⼀定の留意事項に配慮する必要があります。
 将来、教員となり学校現場で児童・⽣徒に⽣成 AI の有効な利⽤⽅法について指導し
なければならない学⽣達には、単に⽣成 AI の利⽤を制限することなく、留意事項に配
慮しながら有効な活⽤を学⽣⾃らが⼯夫できる指導が必要です。
 ChatGPTなどの対話型 AI は、過去の膨⼤なデータから、⽂章の中で「ある単語の次
の単語」を予測する⼤規模⾔語モデルが基盤になっています。したがって、対話型 AI
に質問を⼊⼒し、その回答が、あたかも質問者の意図を理解しているような⾃然な⽂章
であったとしても、質問者(⽣成 AI の利⽤者)になんらの「学び」も⽣じません。
 将来、「⼦供たちの主体的な学び」を⽀援するプロとしての教員になることが期待さ
れる学⽣には、⾃分⾃⾝でも「学び」のプロになることがもとめられます。
 したがって、⼤学における⽣成 AI の利⽤については、次の留意事項に配慮しながら
有効な利⽤法について検討してください。

  1. 授業(試験を含む)での学⽣の利⽤については、⼤学として⼀律に制限するもの
    ではありません。担当教員から学⽣へ指⽰してください。
  2. レポートや卒業論⽂の作成に当たっては、指導教員の判断で利⽤させる場合でも、
    ⽣成 AI の回答をただ単に引き写すということはさせず、⽣成 AI により⽣成された
    ⽂章を引⽤する場合には、⽣成 AI により⽣成された⽂章であることを明記するよ
    うに指導してください。
  3. ⽣成 AI の回答をただ単に引き写すと、意図しない著作権侵害や剽窃となる場合が
    あることに留意するように指導してください。
  4. ⽣成 AI へ質問する内容に、個⼈情報や秘匿情報が含まれる場合、情報が漏えいさ
    れる可能性があります。⽣成 AI を利⽤する場合には、個⼈情報や秘匿情報の使⽤
    は避けるように指導してください。
  5. ⽣成AIのサービスによっては、利⽤者が⼊⼒した内容をAIに学習させない「オプト
    アウト」を受け付けている場合があります。利⽤する際は⼊⼒する内容に応じて、
    オプトアウトすることを検討するよう指導してください。
  6. ⽣成 AI は過去の膨⼤なデータにより、⽂章の中で「ある単語の次の単語」を予測
    する⼤規模⾔語モデルが基盤になっています。⽣成 AI が⽤いるデータに誤りがあ
    った場合に、⽣成 AI の回答に誤りがある可能性は排除できません。したがって、
    ⽣成 AI の回答が正しいか否か常に検証しながら利⽤するように指導してください。
  7. 研究等での利⽤に当たっては、関係の学会等の⽅針および研究者個⼈としての利⽤
    の在り⽅について判断してください。