初等理科コースの学生が「2023年度 放射線教材コンテスト」にて優秀賞を受賞
公益財団法人日本科学技術振興財団の主催する「2023年度放射線教材コンテスト」にて、初等理科コースに在籍する齋綾利さんの「放射線学習をとおして育む児童の成長」と題した教材が、優秀賞を受賞しました。
全国公募により申請のあった応募作品数94の中から、1次審査・2次審査・最終審査を経ての受賞となりました。本学の学生が優秀賞を受賞するのは、3年連続となります。12月27日(水)、科学技術館(東京)で開催された放射線教育発表会において、受賞作品(教材)の演示や表彰式が挙行されました。
教材の特徴とその活用をとおして児童にどのような成長を期待しているのか、この演示で齋さんの想いを紹介してもらいました。2023年から始まった福島第一原子力発電所の処理水(トリチウム水)の海洋放出について、科学的な理解を十分にしないで「何となく危険では?」や「海産物は大丈夫なの?」と、思い込みによって誤解したり評価したりすることの無いように、児童自身で情報を科学的に正しく吟味して判断できるように成長してほしいと、齋さんは教材の制作意図を述べていました。
指導教員の中山慎也准教授(理科教育)は「小学校の教員をめざしている齋さんは、5年生の社会科で学ぶ公害の背景(水俣病の原因だったメチル水銀)と処理水に含まれるトリチウム水の性質などについて理解し、これらの知識を元に理科と社会科を融合させた放射線教材を発想しました。教科横断の視点をもって教材作りに取り組んだ姿勢も大変頼もしいです」と語っています。
東日本大震災を経験した東北地方の教員養成大学として、放射線に関する正しい知識の習得と風評被害の撲滅をめざして、今後も教材の開発や授業実践に真摯に取り組みます。
コンテストや教材についての詳細は、放射線教育支援サイトらでぃのホームページ(https://www.radi-edu.jp/)をご覧ください。