後期授業を対面授業として開始することについて

 宮城教育大学は新型コロナウイルス感染症の予防のために、全ての授業を遠隔授業とすることを原則として 5 月 11 日に前期を開始しました。その後、6 月 29 日からは実験・実技・演習等のごく一部の授業で対面授業を開始し、7 月 20 日からは対面授業をさらに拡大して8 月 21 日には前期を終了します。

 前期の一部の授業で対面授業を再開しましたが、前期に履修した全ての授業が遠隔授業のままで大学に一度も登校せずに前期を終えることになった皆さんもいることでしょう。キャンパスへの立ち入りも制限せざるを得ず、友人や先輩達との交流も全くできない状況で皆さんは不安で不自由な生活を強いられたことと思います。

 大学の教育では、学生同士、また教員と顔を合わせて議論しながら学問を深めていくことが大切です。さらに、課外活動などでの先輩・後輩や友人との交流も大学での教育には欠かせません。したがって、10 月からの後期は、新型コロナウイルス感染症予防に最大限の配慮をしながら、前期よりも多くの授業を対面授業として開始する予定です。しかし、大教室での授業などは、遠隔授業とせざるを得ない場合もあります。後期に予定する附属学校での3年次教育実習は実施予定です。また、4年次教育実習についても、10月以降に実施予定です。なお、今後の感染拡大の状況等により、地域によっては公立学校での教育実習が実施できないことも想定されますが、その場合は代替措置を講じていきます。また、前期にほとんどの活動が制限されていた課外活動などについても、状況に応じて活動制限を緩和しながら大学での活動を再開します。

 対面授業の開始に当たっては感染予防の観点から不安を持っている皆さんもいることと思います。しかし、新型コロナウイルス感染症の収束、ワクチンや治療薬の開発にも見通しが立たない中で、しばらくは新型コロナウイルスとの共存を目指した新しい生活を構築していかなければなりません。宮城教育大学は感染予防対策と大学キャンパスでの教育との両立を目指して、感染予防対策には最大限の配慮をしながら後期からの対面授業を計画します。もし、対面授業への参加に不安があるときには、学年担任や卒業研究の指導教員のみではなく関係の事務部門へ質問をしてください。教職員一丸となって皆さんを支えるとともに、感染症予防については最大限の配慮をした対策を講じます。

 学校の教員となることを志す本学の皆さんは、日常生活において手洗いや手指の消毒、マスクの着用のみならず、「密閉」「密集」「密接」の3つの密を重ねないように各々が工夫し、大学構内において集団感染を発生させない生活習慣を身に付けてください。

 10 月からの後期には元気な皆さんと再会できることを期待しています。

令和2年8月19日
国立大学法人 宮城教育大学長 村松 隆