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学長メッセージ

Message from the President

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平成22年度学位記授与にあたって

 宮城教育大学教育学部・学校教育教員養成課程3名、障害児教育教員養成課程1名、生涯教育総合課程17名、初等教育教員養成課程189名、中等教育教員養成課程108名、特別支援教育教員養成課程50名、大学院教育学研究科修士課程23名・同じく専門職学位課程35名の皆さん、卒業、修了おめでとうございます。
 今年度は、未曾有の震災の直後に卒業・修了という祝賀の式典を迎えることになりました。極めて残念なことですが、式典は中止することに決しました。中止の理由は多くを語らずともお分かりいただけるとおもいますが、私たちの仲間も何人か傷つき、ご家族が被災され、ご自宅が破壊されました。ライフラインの復旧・交通手段の復旧・建物の安全点検等にも時間がかかっています。こうして一堂に会して学位記をお渡しする式典は中止するに至りました。またこの決定は、犠牲になられた方々への私たちのせめてもの哀悼の意の表現でもあり、同時に、直接には何も手助けできない私たちの心からの応援の意志表明でもあります。
 皆さんは、こんなに数え切れないほどの悲しい出来事が起きている平成23年の3月に、社会に巣立っていくことになります。希望どおり教員となって卒業をしていく人、最悪と言われた「就職戦線」で勝ち抜いた人、希望がかなわず再起を期す人、大学院でさらに研鑽を積む人、など、いろいろおられます。卒業というものは、次へのステップであって新たなステージに立つことですから、どんなに辛いときでも、人への心からの感謝の想いをこめながら喜ぶべきものです。学長から皆さんに送る今年度の言葉は、HP上でお伝えすることになりましたが、改めて、次のステージに進まれる皆さんにおめでとうと申し上げます。
 さて言うまでもなく、宮城教育大学は教員養成単科大学であります。特に、教育学部は平成19年度入学生から、新課程=生涯教育総合課程8専攻を廃止し、上記教員養成3課程に特化し実施してきました。これらは、国立大学法人の「機能別分化」と言われ、大学本来の設置目的に沿って大学の機能、つまり教員養成機能を強化すべきであるという、「財政危機」が深刻化している昨今の文部行政・財務行政からの要請を先取りするような本学の決定でありました。22年度学部卒業生である皆さんのほとんどは、平成19年度入学生ですから、教員養成3課程になってからの第1回の卒業生ということになります。平成19年度に教員養成に特化したとき、関係者に強く問われたことは、345名の学生のうち、何人が教員として巣立っていくのか、ということでした。4年後の結果は決して他に誇れるものではなく、むしろ単科の教員養成大学として、多くの課題を突き付けられる結果となりました。つまり、教員を志望している学生が第1次試験に少なからず失敗し、「教員就職率」を下げているという厳しい結果です。入試時点では優秀な成績だった皆さんが、4年次中頃に臨む教員採用試験の第1次試験・「学力試験」で失敗してしまうというのは、本学における皆さんの学びが何であったか、を問う前に、大学がどのような教育をしてきたか、「教育の質」はどうだったのか、という問題であるからです。改めて言うまでもないことですが、大学における学問・研究がすべて「教員採用試験」向け、「就職試験」向けに組み立てられているわけではありません。宮城教育大学は、大学における学問や研究とは何かをしっかりと追求している大学であり、実践的指導力や社会体験についても課外における活動に対する大学の支援を含めて追求しています。それが可能であることは、他の課程認定を受けている多くの大学・学部に比べて、充実した専門教育と実践面の専門家のスタッフをそろえていることによってわかります。このことは、卒業の時点に立った今日でも是非とも自信をもって思い返していただきたいとおもいます。
 しかし他方、「機能別分化」にいち早く踏み切った宮城教育大学としては、現実には「教員就職率」が問われるということであります。大学としては本年度の現実をしっかりと受け止めて、指導態勢を打ち出したいと考えています。
 時々こういう言葉が聞かれます。「宮教大生は大学に入ってしまえば、教員になれるとおもいこみ、勉強しない」、つまり高校時代に蓄積された学力を「消費」してしまい、「大学時代にふさわしい新たな蓄積をしない」。他方こういう言葉もよく聞こえてきます。「宮教の卒業生は、『伸びしろ』が大きい。」という言葉です。確かに、人生の節々を強く乗り切れる人がいます。それはそれで立派なことです。うまくなくてもいい、ちょっとは遅れたけれども「伸びしろ」が大きいと言われる人生も大事である、とおもいます。大学における学びは、今から将来にわたっていろいろな形で生きてくる、それが大学というところです。
 民間企業への就職率が7割を切ってしまうという未曾有の不況の中で、卒業年次の学生だけではなく、3年生あるいは2年生までが「就活」に奔走する、そんな事実が限りなく報道されましたし、これを深く憂慮した国公私立の大学人は、大学時代の学問・研究の時間を確保するため、早期の「就活」を改善するように数度関係者に申し入れてきました。企業の幹部の方々は、ようやくその意味を理解されるようになってきたと言われています。大学・学生をとりまく状況が厳しければ厳しいほど、学生にとって大学における学問研究が基本であり、本分であることを改めて示しているとおもいます。どうか、皆さんはこのことを忘れずに、宮城教育大学で過ごした時間・経験を貴重なものとして、自信をもって社会へ・教育の現場へ入って行ってください。
 最後に、厳しい時代を生き、働く皆さんにとって、皆さんの母校は宮城教育大学であり、いつでも皆さんとともにありたい、相談したいこと、意見を聴きたいことなどあったら、いつでも上がってきてほしいと願っていることを申し上げて、私からの送る言葉と致します。

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