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学長メッセージ

Message from the President

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平成21年度宮城教育大学学位記・修了証書授与式 式辞

 学校教育教員養成課程178名、障害児教育教員養成課程39名、生涯教育総合課程156名、特別支援教育特別専攻科4名、大学院教育学研究科修士課程34名、同じく専門職学位課程32名の皆さん、ただ今皆さんは、宮城教育大学を卒業並びに修了されました。おめでとうございます。
 国立大学が法人化されたのは、平成16年度からでありましたから、皆さんはその1期6年の6年目、区切りの年に宮城教育大学を後にされる訳です。国立大学の法人化は、もちろんこれまでの国立大学の歴史にはなかったことですが、その存在意義について、激しく、深刻に議論されるなかで踏み切られたものでした。国立大学法人は、すべてのステークホルダーに、国立大学の活動内容としての研究教育の内容、大学が保有する資源・研究内容の社会への還元、教育現場を含む社会への貢献を当然の義務として果たすことを求められることになったのです。これを契機にして、メディアも参加して、国立大学法人は、これまでの大学内部に閉じた教育研究活動だけではなく、広く社会とのかかわりの中にその存在意義を証明すべきであるという認識が社会に定着し始めましたし、今後もそのことは求められ続けることは確かです。
 こうした国立大学法人化が展開する中で、皆さんが学部に入学された平成18年は、改正教育基本法が公布・施行された年であり、国及び地方公共団体において「教育の振興」に関する基本計画の策定が定められた年でありました。これを受けて、平成20年には中央教育審議会答申「教育振興基本計画について=『教育立国』の実現に向けて=」が発表され、これが閣議決定されたのでありました。これは「今後10年」において「目指すべき教育の姿」、「今後5年」に取り組むべき施策を総合的・計画的に推進するというものでありました。そこでは「知識基盤社会の進展や国内外における競争の激化の中で、教育の発展なくして我が国の持続的発展はなく、社会全体で『教育立国』の実現に取り組むことが必要である」と謳われたのであります。「今後10年」とは「平成20年から平成29年まで」、「今後5年間」とは「平成20年から平成24年」であります。
 皆さんは、このように、国立大学の歴史だけではなく、教育行政の歴史においても、画期をなす時期に、すなわち社会全体で教育が課題とされる時期に、社会総がかりで教育を実践するという時期に、ほかならぬ教育大学で、しかも大学内と大学外における教育の諸課題について研究教育する生涯教育総合課程と、教員養成2課程すなわち学校教育教員養成課程と障害児教育教員養成課程からなる宮城教育大学で学んだのであります。ですから、皆さんは、社会全体で、社会総がかりで教育を担う、今後のその担い手にふさわしい人材であります。少なくとも幼児・児童・生徒の成長に関するさまざまな課題、障害のある子供たちも等しく教育を受ける権利を有するという人類普遍の原理についても、その幾つかについて、皆さんは学ぶ機会を持ち、そういう雰囲気の中で学生生活を送ったのです。皆さんは、このことに自信と誇りをもって教育の現場に、社会へと巣立っていただきたい。 平成19年度から、本学は、課程改革に踏み切り、教員養成の3課程に特化しました。これは一面、法人化が進行する中で強調され出した、いわゆる国立大学法人・学部の「機能別分化」に踏み切る道を選択した結果でありますが、他面では有限の教職員の人材を分散させる事なく、教員養成単科大学設置の趣旨に立ち返り、平成8年設置以来の生涯教育総合課程の成果を新しい教員養成3課程、そのカリキュラムの中に、積極的に生かして継承したのであります。この点についても、皆さんは後顧の憂いなく、後輩たちの新しい課程における勉学に委ねていってほしいと思います。
 このように、皆さんが学んだ宮城教育大学は、「教育立国」と謳われる日本の今後、5年、10年はもちろん、将来にわたって教育界における優れた質を有する人材を育てるとともに、広く教育という視点から社会全体の教育に携わる人材を、責任をもって養成する大学として社会に発信し続ける努力を致します。皆さんが母校として誇れる宮城教育大学であり続けるよう努力を致します。まさに学生歌にあるように、また同窓会誌のタイトルのように、この青葉山の『山に在りて』であります。
 確かに、皆さんが歩み出す社会は未曾有の不況、先行き不透明の中にある社会です。しかし、目前の出来事に一喜一憂する事なく、大学で学んだ一齣ひとこまを思い出しながら、臆する事なく前向きに進んでいただきたいと思います。
 さて、平成20年度、宮城教育大学大学院は教育学研究科専門職学位課程(教職大学院)を設置し、現職の先生方、学部卒の院生を迎えました。この式場には、その第1期生が列席されておられます。改めておめでとうと申し上げます。この大学院課程は大きな期待のもとに出発しました。ある関係者が言うように「教育養成改革の最後の切り札」と期待されて設置されたことは周知のとおりであります。1期生の皆さんは、様々な想いを持って入学されたと思います。私たちもまた様々な想いを抱きながら、皆さんを迎えました。制度の運用、全く新しい制度の出発にあたっては特にそうでありますが、皆さんは、その高いモチベーション、高い問題意識をもって、我々教職員とともに、中身を作りながら走ってくれました。ここでは、修了おめでとうと申し上げるとともに、学長として、感謝の気持ちをも申し上げたいと思います。そして、皆さんのご活躍を心から願うものであります。
 皆さん先刻ご承知のように、大学教育のみならず、教育というものはどれだけ投資すれば、これだけの数値の成果があがるということが極めて判定しにくい領域です。まさに5年、10年のスパン、あるいはそれ以上のスパンでもって評価されるべきものです。私たちに必要なことは、本質的な問題・課題にしっかりと向き合っているのか、その方向性に沿って、解決、改善の方法なり手立てなりを考えているかどうかなのです。「解決」や「改善」あるいは「効率」なるものが先に立ち、本質的な問題に関する考察が、思索がなされない時には、小手先のその場しのぎの手立てしか生み出さないのです。教育大学に学んだ同窓生として、皆さんは、この点を、時に想起され、頑張っていただきたいと思います。
 最後になりますが、宮城教育大学は皆さんの母校です。恩師もいるでしょう。後輩もいるでしょう。様々なつながりをお持ちでしょう。なつかしい校舎があり、立ち木があり、風情があります。考えあぐねたり、迷いが生じたりした時は、この母校を思い出してほしい、そして山を登って来てほしい。
 皆さん、みんな、どうぞ健康に気を付けて、頑張ってください。
 以上をもって式辞と致します。

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