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大学概要

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学長メッセージ

Message from the President

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平成23年度学位記授与式 式辞

 ただいま宮城教育大学教育学部・学校教育教員養成課程4名、生涯教育総合課程3名、初等教育教員養成課程183名、中等教育教員養成課程116名、特別支援教育教員養成課程51名、大学院教育学研究科修士課程32名、同じく専門職学位課程33名、の卒業、そして修了を認定いたしました。おめでとう御座います。
 この時に当たり、私たちは、改めて、あの3.11で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、いまだ行方の知れない方々の一日も早いご帰還を願い、被災された方々の生活、そして地域の一日も早い復興を心から願うとともに、併せて、国の内外から本学に寄せられた数々のご好意、ご支援に対し、心から感謝申し上げねばなりません。
 振り返ってみれば、卒業、修了される皆さんに、そして本学の教員・職員、学生・院生、幼児・児童・生徒の皆さんには、この1年間、さまざまなご苦労をかけました。復旧作業に寝食を忘れて奔走された教職員の皆さん。ボランティア活動に懸命になられた学生・院生の皆さん。式典を開催できず卒業・修了の祝福することもできなかった平成22年度でした。さらに歓迎式典をすることもできなかった平成23年度入学の学生・院生の皆さん。一方、混乱のなかでも、元気に次のステージへと進み、また笑顔で入学してくれた附属4校園の幼児・児童・生徒の皆さん。みんなそれぞれが直面した厳しい状況に耐えたばかりか、被災された人々の支援にも努力をされました。学長として、皆さんを誇りに思い、この宮城教育大学で学ぶ時間を共有できたこと、仕事をともにできたことを大変に嬉しく思います。
 言うまでもなく、3・11以降は、教育大学に籍を置く私たちにとっては自らの存在を証明し、その意義を社会に示すことを求められるものでもありました。まことに幸いなことに、発生直後の支援を一応終わり、復旧作業におおむね見通しがついた6月末には、まことに幸いなことに、本学の直接的な被害が少なかったこともあり、災害対策本部を教育復興対策本部に改組しました。発生以来、被災各地で、学生のボランティア活動、特に学校、避難所などで子供たちの学習、遊び、話し相手になる、時には共に涙を流す、疲労している教員を補助するなどの活動は、多くのところで子供たちに喜ばれ、教員や保護者に歓迎され、その継続を望まれていました。注目すべきは、これらの活動は、本学学生・院生の自主的・自発的な活動が主だったことです。活動のチーム作りや、仕事の調整など、試行錯誤を繰り返しながら、頑張ってくれました。大学は、学生たちの意志を尊重し、その活動の安全を保障し、経済的に少しだけ補助しつつ、ボランティアの活動の場である教育の現場・学校のニーズは何かをよく聴き、これに応える体制を整えました。宮城教育大学の教育復興支援センターはこうした学生たちの活動に支えられて立ち上がり、もちろん現在も活動を続けています。
本学の取組みは、県内の大学、全国の教育大学・学部の賛同を得て、北は北海道、首都圏、中部、関西、南は福岡など国立教育大学・学部から多くの学生たちが本学にやって来てくれました。そして、本学がニーズをよく聴き、日程を調整した県内各地の学校現場や避難所に出かけ、今も途切れることなく活動してくれています。この仕事は5年、10年、あるいはもっと長い年月の仕事になります。また、これからは、「復興教育」の研究とその創造的発展もこのセンターのテーマになりますが、まずもって、これまで頑張ってくれた学生・院生、指導してくれた教員に感謝いたします。これらによって本学は、茶の間の「評論」ではない、教育大学の活動・機能を社会に具体的に示すことができ、全国的にも幼・小・中・高、特別支援学校の教育復興・実践の拠点としての位置を占め、公的にも高く評価されていることを、自信をもって申し上げたいと思います。
皆さんの卒業・修了に至る最後の1年間は、こうした中、宮城教育大学で過ごされました。社会では、被災地をめぐるいろいろな情報が飛び交う1年間でしたが、皆さんは冷静に粛々とみずからの成すべきことをなし、今日に至りました。改めて敬意を表します。
教員の仕事は、普段は注目もされない地味な当たり前の仕事です。そうした仕事をする教員を養成するのが私たちの仕事です。この教員たちは、一旦ことが起これば、自分の幼児・児童・生徒を守るため、命を賭け、職責をかけた究極の行動をとることを、3.11を通して、私たちに示してくれました。こうした教員の中には、宮城教育大学の同窓生、皆さんの先輩たちが大勢おられます。犠牲になられた方もおられます。私は、彼らに心から敬意を表するとともに、誇りに思うのであります。
皆さんは、こういう教員を育てた、こういう教員が育った宮城教育大学で学びました。教員の道を進む人はもちろんですが、民間会社での仕事を選んだ人も、その外の道を選んだ人も、子どもたちの成長に深く関わる、言い換えれば人の生涯に深く関わる学問をし、研究をする宮城教育大学において、学生として院生として学び、そしてこの度の3・11を通しては、その重要な場面において実践的な経験もし、見聞もしました。子どもたちと向かい合い、会話し、触れ合うこと、人の成長に関わりあうことが、いかに重要で、いかに難しいか。こうしたことに関わる学問や研究は、すべての道に通ずるものです。この原理に確信をもって、自らの学びに自信をもって、宮城教育大学から飛びたって欲しいと思います。
あの悲しい現実に直面しながらも、子供たちの中には、地域の未来を担うのは自分たちだと提案する子どもたち、マニュアルにはない復興の方法を提案する子どもたちもいることなどを、見聞しています。私たちも、恐怖や不安、悲しさや辛さを乗り越え、前に進もうとする子供たちに負けずに、足元をしっかりと見つめながら、前を向いて進みましょう。 終わりに、この青葉山キャンパス、教育実習で汗をかいた上杉キャンパスは、皆さんの母校です。困ったことがあった時、懐かしくなった時、いつでも帰ってこられるのが母校です。
皆さんが健康で活躍されることを心から願って、式辞といたします。

平成24年3月23日     

宮城教育大学長  高橋孝助



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